章 XXXII · 読了約 1 分
「私を取り去りたまえ」から「ここに住みたまえ」へ
シナイ以前の上昇と、以後の物質の聖化
ハシドゥート
宗教的な叫びには二つある。
ひとつはこう言う——
私をこの世界から取り出したまえ。
もうひとつはこう言う——
来て、ここに住みたまえ。
ハノクは前者を、並外れて聖なる形で体現する。
「キ・ラカハ・オト・エロキム。」
エロキムが彼を取った。
ミシュカンは後者を体現する。
「ヴェシャハンティ・ベトハム。」
わたしは彼らのうちに住まう。
トーラーの歴史は、上げ取られた並外れた人から、下に住まいを建てる民へと動いてゆく。
ベイト・ハミクダシュはその運動を深める。
ハシドゥートはそれを普遍化し、創造の目的とする。
דִּירָה בְּתַחְתּוֹנִיםdirah betachtonim「下の領域における住まい」。ハシドゥートの教えにおける創造の目的——世界が昇ることではなく、最も低い場所が家となること。用語集。
それはハノクを取り消すのではない。
それは彼の上昇の意味を完成させる。
かつて取られねばならなかった者が、取り去られることを要さない仕方を学ぶ世界にとっての師となりうる。
彼の火は内へ向かう。
彼の忠実さは家庭的になる。
彼の天上の奉仕は人間のシュリフートとなる。
彼の天の冠は、自らを戴冠せずに責任を担う規律となる。
メタトロンはアヴォダーとして家へ帰る。