章 XIII · 読了約 1 分
人であるとはどういうことかを知る天使
天へ携えられた土の記憶
ヘイハロート総合
上で造られた天使は、その働きを上から知る。
ハノクは低い場所を知っている。
これは、のちの天上の身元における最も優しい次元かもしれない。
彼は身体であることを知った。
割れた意志を知った。
失敗しうることを知った。
時の連なりを知った。
年月が過ぎるのを見た。
子らを育てた。
エデンののちの地に住んだ。
自らの終わりは別様に語られるにせよ、死の定めの下に生きた。
ゆえに神秘伝承が彼を上に置くとき、それは記憶を上に置いているのである。
その橋は両岸に立ったことがある。
メタトロンは、ただ下を見おろしうる天使ではない。
ハノクはここ、下から上を見あげたことがある。
それは同じまなざしではない。
天は光を放つものとして知る。
地は光を到来するものとして知る。
天は命を発するものとして知る。
地は命を受けるものとして知る。
天は祝福を与えるものとして知る。
地は、飢えた畑が開くときの祝福の手ざわりを知っている。
受け手は目的について、与える行為だけでは与える者が顕わさない何かを知っている。
受け手が源より偉大だからではない。
受け手が、その賜物が何のためであったかを顕わすからである。
おそらくそれゆえに、ハノクの人間としての出自は決して消えない。
彼に帰される最も高い天上の働きは、かつて土の上を歩いた人の名を通してなお語るのである。
低い場所が宮殿へ入ったのだ。